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2009年3月

価値あるモノ

12,2000円。

今までの最高預金引出額である。

大学の卒業旅行で行ったヨーロッパ3カ国14日間の旅での旅費だ。

旅費を支払って一気に残額が減った通帳を見て一抹の寂しさを感じたのを覚えている。

しかし昨日、最高預金引出額を更新した。

自分史上最高額の引出だが、たぶん同年代の人達ならば何をそれ位でと笑うであろう額だろう。

しかしいつもチミチミとしか引出さない私は、ATMで引き出した後、異常な程のアドレナリンが脳内に弾けまくっていたのがわかる程だった。

相方殿も笑う程にやけにハイテンションになりつつ、目的地へと向かう。

やはり何度見ても素晴らしい。

いつか平凡な毎日に麻痺して幸せだという事を見失った時、これが初心を思い出させてくれるだろう。

一秒一秒ひたすら時を刻み続けるように、私達も平凡という一番幸せな日々を刻んでいるのだという事を。

そう思えば自分史上最高額の出費も決して高くない。

そう素直に思える買い物だった。

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驚くほど丁寧に

この処、体調があまりよろしくない。

真夜中に度々起きる発作で眠ることが嫌になってしまうとゲンナリしていたら、大学病院の専門医を紹介された。

どうせ大学病院など1時間待ちの3分診療だろうと思いつつ、この状態が改善されるならばちょっくら行ってみるかと期待もせずに受診した。

確かに随分と待ったけれど、良い意味で予想を裏切る受診となった。

担当の先生はミヒャエル・エンデの作品にでてきそうな独特な雰囲気の女性だ。

その纏っている雰囲気に圧倒されてしまったけれど、彼女が口を開いた途端に心配は吹き飛んだ。

何て丁寧に丁寧に私の話を聞いてくれるのだろうか。

そして掛かりつけ医でもされた事ない位のしっかりとした説明。

それは病気全般の事から始まって処方されている薬・発作時の薬の使い方・検査する内容・日常生活について・これからの方針など事細かに説明がなされるのだ。

ずっと体調が良くなくて、全ての処方に疑心暗鬼になっていた私の心がみるみる内にフゥっと軽くなっていった。

本当に受診して良かった。

診察室を出てから時計を見ると20分以上経過しているではないか。

その後受けたたくさんの検査も、何故必要なのかと検査内容を先生から説明されていた為に不安もなく受ける事ができた。

「病気ではなく人を診よ」とは医学の道に進む人が一番最初に言われる言葉。

この言葉を地で行く先生に出会い、「私」を診てくれる事がこんなにも大きな安心につながるのかと実感した。

そして「人を診る」とは理想論であり、特に大学病院勤務であれば実践するのは難しくなってしまうのに、嫌な顔ひとつしないで実践している先生の姿は本当に尊敬に値する。

先生。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

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繊細な指達よ

土曜日、早々にランチを食べて目的地へと向かった。

もう胸がバクバク。

目的のフロアに辿り着くと興奮度MAX。

早くも掌にジンワリ汗をかき始めていた。

ご連絡をくださったお店の方にご挨拶をし、試着させてもらう。

相方殿に見てもらおうとしたら小刻みに指が震えている。

この震えは緊張なのか興奮なのか…。

意識して震えさせようにもできない位の微妙な震え。

良く見ると全ての指が震度2位の微弱な揺れを保っている。

自分の超庶民ぶりが表れていて思わず苦笑してしまった。

結局、全てが決まった後もしばらく震え続けていた我が指。

あの震え、きっと生クリームを持っていたら固まってしまったに違いない。

もうあんなに手が震える事はないだろうけれど、今度また機会があればぜひ生クリーム実験を空いた手でやってみたいと密かに思っているこの頃なのである。

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純粋って素晴らしい

この処、体調があまりよろしくない。

良く夜中に発作が起きる。

そんなドンヨリとした気分を吹き飛ばす為にも土曜日に外出した。

体調と同じく生憎のお天気だったけれど、イソイソと待ち合わせの駅へ。

珍しく相方殿より早く着いた私がホームに降りると見慣れない光景が。

ホームにはカメラを片手に佇む人達がチラホラ。

彼等は決して電車には乗らないのだ。

そして山手線側ではなく、快速運転中で止まらない京浜東北線側に立っている。

野次馬根性旺盛な私は堪らず近寄って「何があるんですか?」と尋ねる。

聞けば、東京駅からもうすぐ車庫へ帰るブルトレを写真に撮る為に有楽町で待ち構えているのだとか。

お礼を言って元の場所に戻ると相方殿登場。

さっそく教えてもらった事を伝えると「東京駅でホーム越しに見た」との事。

それを聞いたら私も見てみたいではないか。

「ちょっと見てみたいから、いつ通るのか聞いてくる」と相方殿に言い放ち、少し遠くで脚立の準備していたお兄さんに声を掛けてみた。

「さっき別の人から車庫に帰るブルトレがここを通るって聞いたけど、何分後位に通るんですか?」

お兄さんはにっこり笑って「いつ戻ってくるかはボクも分からないんですよ。でも必ずここを通りますよ」と答えてくれた。

思わず「凄いですねぇ。ずっとココで待つんですか?」と尋ねると「えぇ」と幸せそうに答えてくれた。

教えてくれたお礼と寒いから気をつけて頑張って下さいという言葉を交わしてその場を後にした。

彼等の大好きなモノに対する真剣さに感動してしまった。

大人になると純粋だけではいられなくなる事が多いけれど、純粋に心から好きだという気持ちが溢れ出ている彼等の姿はまるで子供のように輝いて微笑ましかった。

ちなみに、そんな私を遠くから眺めていた相方殿は「見知らぬ人に良く聞けるなぁ。将来は立派なオババ決定だな」と呆れ果てていた模様。

いーのいーの。気になる事は聞いてスッキリしたいんだもの。

立派なオババなら結構。

オジジにならないだけマシだもの。

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意味は何なのだろうか

休日の朝はじっくりゆっくり新聞を読む事にしている。

先日、家庭欄を読み終わりページをめくると求人広告が載っていた。

いつもは飛ばしてしまう箇所だが、何の気なしに読んでみた。

限られた文字数で告知を打っているのに感心してしまった。

その中で目を引かれたものがあった。

それはとある大学の事務員さん募集の広告。

事務補助要PC週30H歴16着不返

ここまでは、まあわかる。

職務内容は事務補助、パソコンができること、就業時間は週に30時間、履歴書は16日までに送ること、尚返却はしませんという事だ。

しかし、次の項目に頭を捻る。

何度頭を捻って考えてもサッパリわからなかったので、隣で朝食を食べていた父上に尋ねてみた。

「この求人広告のほそおもてって何だろう?事務するのに丸顔も面長もエラ張りも関係ないような気がするんだけど。雇い主の趣味なのかしら?」と。

父上が盛大に噴き出した。

「それは詳細は面談の上って事!!」

おぉ!そうだったのか。

細面は顔の形をいうのではなく略語だったのか。納得納得。

ようやくスッと胸のつかえが取れた私だったが、父上はパンを喉に詰まらせていた。

父上よ。

トンチンカンな娘で全く面目ない。

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浦和市民寄席 さん喬・権太楼の会~長講対決~

日曜日に久々に落語を聴きに行った。

このところバタバタしていたり体調不良だったりで、久しく落語を聴きに行く時間が無かったのでとても楽しみにしていた会だった。

今回は前から4列目中央という絶好のポジション。

開演直前に場内を見渡してみれば、何ともローカルな雰囲気が充満している。

シミ・皺・白髪・薄毛などというキーワードが思わず浮かんできてしまうけれど、のんびりしてホンワリと優しい人達が集う温かな会場だった。

待ちに待った権太楼・さん喬両師が登場。

大好きなさん喬師匠。

さん喬師はやっぱり凄いなぁと思う。

心地良いリズム。的確な表現。

まるで目の前でやりとりが繰り広げられているかのようだ。

一転して立場が逆転する最後は大笑いに笑う。

権太楼師はあのお顔にぴったりな噺。

愛嬌があるのでタガが外れる場面も何だか憎めず笑ってしまうのだ。

旦那様の狼狽ぶり、番頭の酔いが一瞬で醒めてしまう様。

どれをとっても秀逸だ。

柳家を代表する両師匠の会で、落語の芸の懐の深さと堪らない面白さを再認識させられた。

最高の会を満喫して家路に着いた。

対談

柳家さん若 「鈴が森」

柳家さん喬 「らくだ」

柳家権太楼 「百年目」

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いつまでも変わらぬ友達

先日、学生時代の友人に会った。

卒業してからはお互いの居住地の関係で年に何度かしか会う事は出来なくなったけれど、学生時代からかわる事のない大切な友人だ。

今回も会って1秒後には、まるでブランクなどなかったように会話が弾む。

興奮して話しゴホつく私を嫌な顔せずに一生懸命に話を聞いてくれる。

学生時代そのままの心地よい会話のキャッチボールに笑顔が溢れてしまう。

そして気配り上手な彼女は私の為にプレゼントを持ってきてくれていた。

渡された包みを開けてみると私がずっと欲しいと思っていた物が!!

「よく公園に行っているみたいだから」と選んでくれた品物。

その一言に暖かな配慮を感じてジンとしてしまった。

プレゼントってその人を想いながら選ぶのが楽しいよねと話す彼女を見て、あぁこの優しさはずっと変わっていないなぁとシミジミと感じた。

決して押し付ける事なく優しく控えめに気配りをする彼女。

私も彼女のようにちゃんと気配り目配りができる人間にならないとなと強く思った。

たくさんお喋りをして別れた後、電車の中で学生時代の懐かしい記憶が溢れ出てきた。

体育の授業前にロッカー室で話しかけた事。

変なダンスを笑い転げながら練習した事。

彼女の家にみんなで泊まりに行った事。

何だか訳の分らぬまま互いに弓道部へ引きずり込まれた事。

そして毎日のように尽きる事無くお喋りに興じていた事。

他愛もない出来事が今となっては最高の思い出となっている。

この思い出が大学時代に得た宝物だったと思っている。

彼女に出会える事ができて本当によかったなと強く強く思えた一日を過ごした。

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