二人旅 ~海を求めて~
父上と一緒に旅に出た。
海が見える場所へと電車を乗り継ぐノンビリ旅だ。
計画も立てず思いつくままにふらりふらり。
海が見える場所につくと二人で大きく息を吸い込んだ。
今、この目に映るものを、この風が肌を撫ぜる感触を全て記憶しておきたいと思った。
例え苗字が違くなったって親子だけど…。
だけどやっぱり父上にとっては微妙に違うらしい。
だから今、二人で旅に出る事を強く望んだ父上のその気持ちを思うと、目の前の海も何だか滲んで見えてしまうよ。
旅館についてから海辺を散歩したあの1時間は、この旅の中で最も記憶に残るものだったね。
取り立てて何も話さず、立ち止まって海を眺めたり漁港に立ち寄ったりしながらゆっくりと歩いたね。
本当に有意義な時間を過ごせたね。
父上。
誘ってくれてありがとう。
短い旅だったけど私は一生忘れないよ。
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